【教えて】映画批評の書き方その1、映画ジャンル、ログライン、主人公をハッキリさせろ!【お勧め本紹介】
当たれば一本につき相当な金額の値段が付くハリウッド映画の脚本。映画の脚本家ってどのようなことに注意して創作しているのでしょうか?ご存知でしたか、脚本を書くにあたってはテンプレート、ルールのようなものが存在しているんです。私も知りませんでした。この動画に出会うまでは。紹介する動画は長いので3つのブログ記事としてまとめます。
Adobe、「AE」なんかで映像制作をしている「ダストマンTips」というユーチューブチャンネルで出会ったコンテンツ「【SAVE THE CATの法則】ハリウッドの秘密。ヒットする映画の脚本の法則はこれだ!!」です。このコンテンツの内容を簡単にまとめてみて納得、確かにこのテンプレートを理解した後、映画を見ると映画構成を因数分解できると誰でも思うはずです。
この方もハリウッド映画の脚本家が書かれた本を参考にしていて、それらをまとめたものを配信しているようです。私も実際、本を購入しました。ストーリーのある映像制作を目指している方にはお勧め。後小説とか好きな方にもストーリーの構成、展開、プロットの仕組みなどを創作するのに素晴らしい知識を与えてくると思います。
映画ジャンルはなんだ?どの映画に似ている?
どの映画も次にあげる10個のジャンルに当てはまります。この要素をわかっていれば、あっこの映画はこのジャンルか、とかこの映画はこれを使っているなぁと把握できます。小説もこれらのジャンルを当てはめてみるのもお勧め、たくさんの映画、小説が世の中存在していますけど、案外ストーリーの構成は単純なものなんです。それもたった10個。
- 家の中のモンスター
- 金の羊毛
- 魔法のランプ
- 難題に直面した平凡な奴
- 人生の節目
- バディーとの友情
- なぜやったのか?
- バカの勝利
- 組織の中で
- スーパーヒーロー
1、家の中のモンスター、要素は二つです。一つはモンスター、一つは家。家は逃げ道のない空間で人間の貪欲さが生む犯罪や事件が起きます。その結果モンスターが生まれ、モンスターは罪を犯した奴に復讐をしようと。必須なのは緊張感、絶対に勝てない敵と絶対に逃げられない空間。「ジュラシックパーク」とかですか。
2、金の羊毛、主人公は何かを求めて旅に出るのだが、最終的に発見するのは別のもの(自分自身)。主人公が旅の途中で人々と出会い、色々な経験をします。そしてその出会いや経験は関連がなさそうに見えても実は主人公を成長させるという一貫性があるというもの。泥棒ものも意外とこれだそうです。「ルパン三世、カリオストロの城」とかですか。
3、魔法のランプ、何かのものがキッカケで願いが叶い、そして願いの代わりに呪いが下るというもの。主人公はひどい扱いを受けていて、だからこそ願いが叶い、幸せになることを観客は願います。しかし成功しすぎると鼻につき、だから主人公は最終的に魔法よりも普通の人間でいるのが一番と気づくというストーリー。トム・ハンクス主演「ビッグ」かな。
4、難題に直面した平凡な奴、どこにでもいそうな奴がとんでもない状況に巻き込まれる。とにかく大問題と悪い奴が必要で、悪い奴を徹底的に悪くすると主人公の行動がより勇気があるように見えるストーリー。ハリソン・フォード主演「The Fugitive(逃亡者)」かな。
5、人生の節目、人生でどんなにベストな選択をしていても理解し難いモンスターが襲ってくるというストーリー。主人公は段階を踏みながらコントロールできない不可解を受け入れて行き、そして最終的に笑えるようになった時、勝利を収める。「ターミネーター」とか。
6、バディーとの友情、バディーはお互いを嫌っているが旅をしていくうちに相手が必要で、二人揃って一つの存在になれることがわかるというストーリー。でも嫌い。そして結末が近くなると全てを失う瞬間がきてそこで別れてしまう。しかしさらに気づく、お互いが必要だったことに。最後は覚悟を決める。デカプリオ主演「ブラッド・ダイアモンド」とか。
7、なぜやったのか?犯罪や事件が明るみに出た時、その背後にある想像すらしなかったような人間の邪悪な性が暴かれるというストーリー。ブラッド・ピット主演「セブン」とか。「セブン」は犯罪者が姿を現すまで、全ての殺害現場シーンが雨なんです。で、犯人登場となる瞬間、晴れ間のシーンで場面転換という流れになっています。
8、バカの勝利、負け犬のバカに対してもっと大きくて権力の悪者が存在するが、容赦せずおちょくり、コケにするというストーリー。実は賢いバカのストーリーは社会のアウトサイダーの人生であり、自分が勝利したような快感を味わえるというもの。なんかそれらしい映画が思いつきません。何か思い当たる映画、あります?
9、組織の中で、主人公は自分の属す組織に誇りを感じる一方で、組織の一員として生きるために自分らしさやアイデンティティーを失うというストーリー。個人よりも集団を優先することの是非を描いています。戦争映画とかがこのジャンルに当てはまりそうです。トム・ハンクス主演「プライベート・ライアン」とか。
10、スーパーヒーロー、難題に直面した平凡なやつと対極にある存在。超人的な力を持つ主人公が平凡な状況に置かれます。特別な存在とはどういうことか?彼を取り巻く人間の心の狭さのせいで理解されない苦悩を描くというストーリー。二作目が失敗するのは一作目には苦悩に焦点を当てたのに、二作目は忘れてしまうから、というもの。
これがハリウッド映画のズルイ秘密
- 生き延びること
- 飢えに打ち勝つこと
- 愛するものを守ること
元になっている雛形の完成度が高いストーリーテリングの原則だから皆んなパクリに見えるということらしいです。脚本を書いているうちにこれってパクリじゃない?と思ったらパクるのをやめ、これってお決まりのパターンじゃない?と思ったらひねりを加えろと。ルールをしっかり理解し、応用できるようになると本物の創造性を発揮できると教えています。
ひねりを加えたり応用を施すときに外せないシンプルで原始的な動機が映画全体の中に流れているのかを確認します。人間の本質的な部分に共感するのはどこの国の人種であろうが、どのバックグラウンドで育ってきた人間であろうが、生きる上での人間の性でしょうか。疫病、飢饉、戦争というものを克服しようとしてきた人類です。
映画脚本で大事なログラインとは何?
どんな映画なの?にたった一行で完結に独創的に答えられたなら相手は必ず興味を持つということです。脚本を書くまえにその一行が書ければストーリー自体もよくなってくる、これをログラインと言います。例えば、映画「ダイハード」、警官が別居中の妻に会いにくるが妻の勤める会社のビルがテロリストに乗っ取られる、とか、映画「ラピュタ」、ある日少女が空から降ってきた、など。
ログラインは本の表紙のようなものでログラインができてから脚本を考えることが重要。良いログインの要素というのもあり、皮肉はあるか?イメージの広がり、観客層と製作費、パンチのきいたタイトルなどをイメージして考え、ログラインができなければ、映画全体について考え直したほうがいいとまで指摘しています。
逆に言えば、ログラインとタイトルが仕上がっていれば、登場人物は際立ち、ストーリーは明確になるそうです。後、典型にひねりを加えることも忘れないこと。何かを生み出すということは、新鮮なひねりを加えることであり、伝統を超えて一歩踏み出したものを作るには、まずそれまでの歴史や伝統をよく知る必要があるとしています。
主人公
主人公はあくまでもどんな映画なの?を補足する一要素であって、その逆ではないと。ログラインやタイトルができてから、ストーリーにぴったりの主人公を考えて行けばいいので、全てはどんな映画なの?をよくするため、だそうです。
- 共感できる人物
- 学ぶことのある人物
- 応援したくなる人物
- 最後に勝つ価値のある人物
- 原始的でシンプルな動機があり、その動機に納得がいく人物
- 設定された状況の中で一番葛藤する
- 感情が変化するのに一番時間がかかる
映画を試聴した後
どんな映画ジャンルなのか?その映画のログラインは何か?調べてみると見終わった後の映画を深く理解し、知識、体験として自分の血肉にできるのではないでしょうか。その上で主人公の条件で上にあげた項目のうち、いくつ当てはまっているのかなど自分なりに検討してみるのもいいかもしれません。
どの映画も次にあげる10個のジャンルに当てはまります。この要素をわかっていれば、あっこの映画はこのジャンルか、とかこの映画はこれを使っているなぁと把握できます。小説もこれらのジャンルを当てはめてみるのもお勧め、たくさんの映画、小説が世の中存在していますけど、案外ストーリーの構成は単純なものなんです。それもたった10個。